日本国内で消費されるペットボトルの本数は何本?

ペットボトル

1分間に世界中で100万本を超えるペットボトルが消費されています。この数字は2021年には20%増大し、年間に販売・消費されるボトルの数は5,831億本に達する見込みです(thegurdian June 28 2017)。

仮にペットボトルの高さをすべて20cmだとすれば、5,831億本のPETボトルを全部つなげると地球を2900周できる計算になります。

国内では年間約230億本を生産

では日本国内で1年間に消費するペットボトルの本数はいくつでしょうか?

PETボトルリサイクル推進協議会によれば、2016年度の清涼飲料用ペットボトル出荷本数は227億本でした(PETボトルリサイクル推進協議会)。

上記は飲料用ボトルの数ですから、調味料やみりん・料理酒等のボトルも加えるともっと増えます。

2016年の国内ペットボトル販売量(59万6,056トン)のうち、清涼飲料ボトルは58万4,414トンですから(PETボトルリサイクル推進協議会)、清涼飲料用のPETボトルが全体の98%を占めています。やはり圧倒的に多いのは飲料用ボトルです。

上記の飲料ボトルの割合(98%)は重量での割合ですが、単純に本数でも飲料ボトルが98%を占めているとすれば、飲料用と調味料・酒類用も全部含めたPETボトルの総数は1年間で232億本と推定されます。

2016年の1年間に232億本ですから、1日に約6,400万本1時間に約260万本1分間に約4万4千本、そして1秒間に約740本のPETボトルが国内だけで消費されたことになります。

日本の人口は約1億2700万人(2016年)ですから(総務省)、単純に1人あたり1年間に183本使っている計算になります。

ペットボトル

地球を126周!?

国内で消費されるペットボトルを全部つなげると、どのくらいの距離(km)になるでしょうか?

500 mlボトルの高さを20センチ、2Lボトルの高さを30センチとして計算してみます。

日刊経済通信社の報告から推定すると、2016年度の出荷本数は、500mlボトルが190億本で、2Lボトル42億本()ですので、合計506万キロメートルになります(500mlボトル190億本 × 20cm + 2Lボトル42億本 × 30cm)。

日本の長さは南北で2,845kmありますから、国内1年分のPETボトルをつなげると、日本の最北端から最南端までを889往復できます。

地球をぐるりと1周すると4万kmですから、国内1年分のPETボトルで地球を126周できます。

日刊経済通信社の報告によると、2016年の上半期(1−6月)の飲料用PETボトル生産量は、小型PETボトルが3億8930万箱、大型PETボトルが3億4,480万箱でした(日刊経済通信社 2016)。小型ボトルを500ミリリットル、大型ボトルを2リットルと仮定し、さらに1箱あたりの本数を500mlボトルが1箱24本、2Lボトルが1箱6本と仮定すると、2016年上半期に出荷された500mlボトルは約93億本、2Lボトルは約21億本になります。下半期の出荷数がわかりませんが、上半期における500ml ボトル数: 2Lボトル数の比率(4.5:1)を2016年度の出荷本数232億本に単純にあてはめると、500mlボトル190億万本 、2Lボトル42億本になります。

未回収ペットボトル26億本

では、232億本のPETボトルが消費されゴミになった時、どのくらいが回収されたのでしょうか?

PETボトルリサイクル推進協議会によれば、2016年に販売されたPETボトル(59万6,056トン)のうち回収されたのは88.8%です(PETボトルリサイクル推進協議会)。

これは重量あたりの回収率ですが、本数にもこの回収率を単純にあてはめると、2016年に回収されたのPETボトルの本数は206億本になります。一方で、回収されなかった残りは26億本にもなります。

海洋プラスチックごみ_ペットボトル

自然環境へ漏れ出すペットボトル

PETボトルの回収率は9割もあると喜んでいる場合ではありません。販売されるPETボトルの数が極めて多いため、回収できなかった1割の数も年間26億本と尋常ではありません。

では、この26億本はどこへ行ったのでしょうか?一部はリサイクル用には回収されずに燃やすゴミ(または不燃ゴミ)として捨てられてしまったのでしょう。

しかし河川で回収される散乱ごみの上位に飲料ペットボトルがきていることを考えれば(原田 2015)、かなり多くのペットボトルがポイ捨てされたか、ゴミ箱からあふれて雨風に飛ばされた可能性があります。

これらはやがて海に流れ込みます。ペットボトルの材質であるPET(ポリエチレンテレフタレート)は海水よりも比重が大きいため、ペットボトルは沈んで、海底に溜まっていきます。

海洋研究開発機構(JAMSTEC)が公開している深海デブリデータベースでは、日本周辺の深海底で撮影されたペットボトルの映像が公開されています。

海洋に流入するプラスチックごみの33%は飲料系のごみだと推定されているため(Green Alliance)、飲料用ペットボトルの回収を100%にする(または抹消する)だけで、海洋に流入するプラごみの1/3を減らせると考えられています。

PETボトル_海底

日本もデポジット制度を導入するべき?

低い回収率を100%にするにはどうすればいいでしょうか?たしかに米国や欧州の平均ペットボトル回収率に比べれば、日本の88.8%の回収率は高いかも知れません。

それでも100%には程多く、我が国から毎年20億本を超す未回収ペットボトルが環境中に漏れ出ている可能性を引き起こしています。

回収率を劇的に向上するには「デポジット制度」を導入するのが効果的で手っ取り早いと言われています。

デポジット制度とは、ペットボトルの代金にあらかじめ少額の預け金(デポジット料金)を上乗せして販売し、あとで空のボトルを返却すると預け金が戻ってくる仕組みです。

ペットボトル回収

よくスーパーの入り口に、空のボトルを回収するボックスがありますが、あそこにボトルをいれるとお金がでてくる(返ってくる)イメージです。

たとえば、環境先進国のドイツでは、スーパーなどにボトル返却機が置いてあり、返却するとレシートがでてきて、そのレシートをレジに持っていけば返金が受け取れる、あるいは買い物の支払い額からその分を引いて精算することができます(Bottle Bill Resource Guide)。

ドイツではペットボトル1本につき25ユーロセント(約33円)の預かり金が課金されます。回収率は最高98.5パーセントに達します(Bottle Bill Resource Guide)。

PETボトル回収率99%のオランダでは、0.5リットル以下のベットボトルのデポジット料金は$0.16(約18円)、0.5リットル以上のボトルには$0.72(約81円)の預け金が課金されています(eunomia 2010)。

運良くペットボトルを拾えばそれがお金になるため、デポジット制度が定着している国ではペットボトルが落ちていることがほぼありません。ごみ箱からわざわざ回収してそれを生活の糧にしている人もいるほどです。

ボトル返却機もよくできていて、指定されていないボトルや飲み物が中に残っているボトルをいれると自動的に跳ね返してきます。こうすることで、回収されたボトルが資源として使いやすいように工夫をしています。

日本でもデポジット制度を導入すれば、回収率もさらにアップすると予想されますが、預け金が低いと使い捨て感覚が拭いきれない可能性もありますので、ペットボトル1本あたりの預け金を30-50円と少し高めに設定するのがポイントかも知れません。

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