絡まってもだえ苦しむアザラシ

多くのアザラシやアシカ、オットセイの仲間は,好奇心が強く、遊びっ気たっぷりで、捨てられた漁具やロープで遊び、頭を突っ込んだりします。そして絡まり事故が発生します(Laist 1997Page et al. 2004)。

遺棄されたプラスチック漁具にたまたまかかっていた魚などの餌に誘われて絡まってしまうアザラシもいるでしょう。

プラスチックの輪、ロープ、釣り糸などは、いとも簡単に首に絡まります。しかし、アザラシたちの毛並みは後ろ向きなので、自分で取り除くのは困難です(Hammer et al.2012)。成長するにつれてますますと首が絞まり、動脈が圧迫され、ゆっくりと絞殺されていきます(Hammer et al. 2012)。

アザラシの首を釣り糸が締め付ける

アザラシの首を釣り糸が締め付ける Photo: International Fund for Animal Welfare/https://flic.kr/p/8r9kJx (CC BY-NC 2.0)

多くのアザラシが、餌をとるときに、海中に沈んだ漁具に絡まってしまいます。とくに、視界の悪い海域でそのような事故が起きます。

ニュージーランドでは、およそ1500頭のオットセイやアシカが絡まり事故によって毎年死んでいると推定されています(Page et al. 2004)。

漁具に絡まったまま、浮上することができなければ、溺死します。オランダでは、袋網(袋状に編んだ網を使って流れに仕掛けて魚などをとる網)に毎年15頭のハイイロアザラシやゼニガタアザラシが絡まり死んでいます。ノルウェーでは6万頭のタテゴトアザラシが立ち網の中で死んでいました(Hammer et al. 2012)。

ゴーストネット

カリフォルニアで行われた調査では、1976年から1998年の間に調べた914頭のアザラシやアシカにうち、実に3割以上が絡まっていたか、過去に絡まった傷跡が残っていました(Hanni & Pyle 2000)。

もっとも犠牲になりやすいのは、好奇心が旺盛な子どもです。経験も浅く、漁網で遊んでしまい、悲惨な結果を招いています(Lucas 1992Allen et al. 2012)。漁具に絡まってしまうアザラシやアシカの大部分は未成熟な個体で、特に首の締め付け被害に遭う確率が高いといいます(Zavala-González & Mellink 1997Hanni & Pyle 2000).

プラスチックの包装ごみ(梱包用のひもなど)に絡まる個体もいますが、圧倒的に多いのはやはり漁業に由来するごみです。アザラシたちの生息地が、漁業活動の場所と重なっているときに、このような事故が多発します。

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