動物プランクトンはエイジングのきいたプラスチックがお好き?

海洋ごみ_マイクロプラスチック_プランクトン

新品のプラスチックよりも、海水の中にしばらく漬けておいたプラスチックのほうが、動物プランクトンに好んで食べられることが分かりました。ノルウェーとオランダの研究チームが発表しました(Vroom et al. 2017)。

サイズが5mmよりも小さなプラスチックの破片「マイクロプラスチック」は、世界中の海のあらゆるところに拡散しています(Andrady 2011)。そして動物プランクトンが食べられるほどに小さなマイクロプラスチックが海水中をたくさん漂っています。

カイアシ類やオキアミといった、ろ過食性の動物プランクトンが、実際にマイクロプラスチックを誤食していることが明らかになっています(Desforges et al. 2015)。

これまで様々な実験で動物プランクトンがプラスチック粒子を食べることが分かっていますが、どの実験でも「新品」のプラスチックビーズを使用しています(Cole et a. 2013, Cole et al. 2015, Lee et al. 2013)。新品のプラスチックビーズは、つるつるで、表面には何もついていない状態です。

しかし、実際に海にあるプラスチックは、劣化して溝ができ、様々な有機物を吸着し、また微生物も付着しているため、新品のプラスチックビーズとは特性が異なるでしょう(Van Der Meulen et al. 2014, Oberbeckmann et al. 2015)。

研究チームは、ポリスチレンのビーズと破片(大きさが30マイクロメートル以下)を、自然海水の中に3週間漬けこんで、「エイジングして」から動物プランクトンに与えました。(Vroom et al. 2017)。

すると2種類のカイアシ類、アカルチア属(Acartia longiremis)とカラナス属(Calanus finmarchicus)が、エイジングしたプラスチックを好んで食べました(Vroom et al. 2017)。

マイクロプラスチックの顕微鏡写真 Photo: NOAA Photo Library/Flickr (CC BY 2.0)

海水に漬けてエイジングしたプラスチックには、天然の有機物や微生物が付着し、カイアシ類が自然界で食べている餌と同じようなものでコーティングされている可能性があります。たとえば微生物が放つ匂いが、カイアシ類の匂いセンサーに反応して、プラスチックを間違えて食べたのかもしれません(Vroom et al. 2017)。

しかし、全くプラスチックを食べなかった動物プランクトンもいました。シュードカラナスの仲間(Pseudocalanus spp.)はプラスチック粒子を食べなかったので、種類による好みの違いがありそうです。

プラスチックを食べたカイアシ類は、2〜4時間でプラスチックを排せつし、その後11日間プラスチックを食べても問題なかったそうです。そのためプラスチックの摂食によるマイナスの影響はなさそうだと研究チームは指摘しています(Vroom et al. 2017)。

今回の研究によって、動物プランクトンがプラスチックを間違えて食べてしまう原因の1つに、エイジングが大事な役割を担っていることが明らかとなりました(Vroom et al. 2017)。

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