蚊の体内からマイクロプラスチックみつかるー陸に侵出する新経路

蚊_マイクロプラスチック

[上記画像:蚊成体の腹部から見つかるマイクロプラスチックの蛍光顕微鏡イメージ(Source: Al-Jaibachi et al. 2018 Biology Letters 14: 20180479)]

マイクロプラスチックは、海の生態系の問題だけではありませんでした。

池や川などの水中に住む蚊の幼虫、つまりボウフラにマイクロプラスチックを与えたところ、幼虫は食べたマイクロプラスチックを体内に保持したまま変態して、翅をもつ成虫になることがわかりました(Al-Jaibachi et al. 2018)。

餌を食べない成虫になっても体内にマイクロプラスチックを残したままだったのです。今回イギリスの研究チームが明らかにしました(Al-Jaibachi et al. 2018)。

さらに、特に小さなマイクロプラスチック(サイズが2マイクロメートル)がたくさん幼虫に食べられることも分かりました(Al-Jaibachi et al. 2018)。

蚊の幼虫は餌をろ過して食べる”ろ過食動物”のため、小さな粒子はなんでも口に入れてしまいます。そのため小さな餌とマイクロプラスチックを区別することができないのです。大量のマイクプラスチックを体内に残した幼虫は、不幸にもそのまま変態して成虫になります。

現在、イギリスの研究チームは、マイクロプラスチックを体内に保持したままの成虫(アカイエカ)がどんな影響を受けているのか、調査を進めています(The Guardian Sep 2018)。

蚊の幼虫だけでなく、様々な水生動物がマイクロプラスチックを食べている可能性があります。他の研究では、ウェールズ川(英)で採取したカゲロウとトビケラの幼虫の半数が、その体内にマイクロプラスチックを取り込んでいたことが判明しています(Windsor et al. 2018)。

蚊の幼虫といった小さな淡水の水生生物がマイクロプラスチックを食べ、それが翅をもった成虫になっても体に残ったままであることは何を意味するでしょうか。

蚊などの翅虫は、鳥やコウモリ、クモなどに食べられます。つまり水中にあったマイクロプラスチックは、翅虫(の体に入って)空を飛ぶことで、陸上の生物に食べられて、水中から陸上へと移動してしまうことを意味します(Al-Jaibachi et al. 2018)。生物を介した水中から陸上へのマイクロプラスチックの侵出です。

これまでに海鳥がマイクロプラスチックを誤食していることはわかってましたが、この新たな研究によって陸上の鳥でさえマイクロプラスチックを誤食している可能性がでてきました。

川や池、湖などにも大量のプラスチックごみが流れ着いています。原因は単にポイ捨てだけではありません。化学繊維の服を洗濯することで発生するマイクロプラスチックファイバー(繊維状のマイクロプラスチック)は下水を通じて、河川や海に流れ込みます。

マイクロプラスチックはますます様々な生態系に忍び込んでいます。私たちの知らない間に。

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