海洋ごみの要因

91%のプラスチックはリサイクルされていない事実

プラスチックは,私たちの周りにあふれ,生活のあらゆる所に浸透しています.そんなプラスチックの歴史は浅く,プラスチックの利用が普及したのは第二次世界大戦の後です.

プラスチックの世界生産は,大量生産が始まった1950年には年間200万トンだったのが,2015年には3億8千万トンに激増しました(Geyer et al. 2017).これは鉄鋼やセメントを除いて,ほとんどの人造物質を上回る増産ペースです.

1950年から2015年までの間に製造されたプラスチックの全量は78億トンに達します.そのうち約半分は過去13年間に生産されました(Geyer et al. 2017).中国だけでも樹脂の世界生産の28%を占め,化学繊維(ポリエステル,ポリアミド,アクリル)では68%を占めています.

化学繊維を除くプラスチックでは,最終的な「プラスチック製品」を製造するときに大量の添加剤を加えます.報告では,プラスチックの重量のおよそ7%が添加剤とされています(Geyer et al. 2017).

この添加剤も考慮すると,今日までに地球上で作られたプラスチック製品の総量は83億トンに達します.繊維を除けば,もっとも多いプラスチックはポリエチレン(36%),ポリプロピレン(21%),ポリ塩化ビニル(12%)で,PET,ポリウレタン,ポリスチレンがあわせて10%以下を占めていました.

プラスチック生産量の爆発的な増加の主な原因は,「容器包装に使うプラスチック」の増加です.製品の梱包に使うプチプチや発泡スチレン,食料品の容器,飲料のペットボトルなどのことです.事実,容器包装に使うプラスチックが,プラスチック生産量全体の42%を占めています(Geyer et al. 2017).

リサイクルはたったの9%

今日までに生産されたプラスチック製品のうち,63億トンがすでに廃棄物となっています.そのうち,たったの9%だけがリサイクルされ,大部分の79%は埋め立て処分されたか,さもなければ海洋などの自然環境に投棄されました(Geyer et al. 2017).

このままのペースでプラスチックの生産と廃棄が続くと,2050年までに120億トンのプラスチックごみが埋め立て処分されるか,自然環境に投棄されると考えられています.(Geyer et al. 2017).その量は,橫浜ランドマークタワー2万7千個に相当します(ランドマークタワー1つ,44万トンとして計算).

常識的に考えて,人類が生み出したプラスチックは何百年も何千年も分解されずに残ります(Barnes et al. 2009).焼却されない限りそのまま環境中に残ります.今日までに焼却されたのはわずか12%にすぎません(Geyer et al. 2017).

プラスチックの依存症を劇的に変化させなければ,あと30年以内に海のプラスチックごみが魚の量を超え(World Economic Forum 2016),私たちの食卓に紛れ込むプラスチックごみの量も間違えなく増えていくでしょう.

関連記事

  1. 「生分解性プラスチック」が地球に優しいウソホント

  2. 海洋ごみ

    えっ、海のプラスチックごみが魚の量を超える?

  3. プラスチックについて「考え直す」ときが来ています

  4. 海洋ごみ

    海のプラスチックは分解にどのくらい時間がかかる?

  5. そもそもプラスチックとは何でしょうか?

  6. プラスチック−海洋ごみの問題はそこから始まった

PAGE TOP